法令改正による眼の被ばく限度の引き下げ等について
エックス線は人体に有害な放射線です。
なのでエックス線の取り扱いは、様々な法令で規制されています。
主な関係法令として「電離放射線障害防止規則」があります。
これを略して「電離則」といいます。
「電離則」の眼の水晶体に関する内容が改正され、2021年4月1日から施行されました。
2021年4月1日以降の試験では、改正後の内容で試験問題が出題されます。
X線作業主任者の試験では、眼の水晶体に関する内容は頻出ですので、必ず押さえたいところです。
改正ポイントは下記をご覧ください。
眼の水晶体の被ばく限度(等価線量)
新 | 5年間につき100mSvおよび1年間につき50mSv |
---|---|
旧 | 1年間につき150mSv |
1年間の被ばく限度が150mSvから50mSvに引き下げられ、5年間の被ばく限度が新たに定められました。
このように被ばく限度が引き下げられた理由は、被ばくした人達の比較的長期間の追跡調査の結果、今まで考えられていたよりも低い線量で、眼の水晶体に障害(白内障)が発症することがわかったからです。
眼の水晶体の等価線量の測定結果の確認、記録
新 | 3か月、1年および5年ごとの合計 |
---|---|
旧 | 3か月および1年ごとの合計 |
5年間の被ばく限度が新たに定められましたので、5年ごとの測定結果の確認、記録も新たに追加されました。
眼の水晶体の等価線量の算定
新 | 1cm線量当量、3mm線量当量または70μm線量当量のいずれか |
---|---|
旧 | 1cm線量当量または70μm線量当量のいずれか |
眼の水晶体への被ばく管理をより正確に行うため、3mm線量当量が新たに追加されました。
表中の「いずれか」というのは、原則として3mm線量当量で算定しますが、場合によっては1cm線量当量または70μm線量当量でも差し支えないことを意味しています。
また、1cm線量当量と70μm線量当量については、算定値が大きくなる方を選択します。
法令改正に伴う注意点は?
公表問題(過去問)をこれから学習する際には、「改正前の内容なのか、それとも改正後の内容なのか」を把握しなければ、古い情報で覚えてしてしまうこともあるので注意が必要です。
公表問題は、ネットで検索可能ですが、最新の情報をキャッチするのも大切です。
最後に、関係する法令のリンクを貼っておきますので、興味のある方はご覧ください。
【参考①】電離放射線障害防止規則 第二章 管理区域並びに線量の限度及び測定(第三条-第九条)
【参考②】電離放射線障害防止規則第三条第三項並びに第八条第五項及び第九条第二項の規定に基づく厚生労働大臣が定める限度及び方法
【参考③】電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令等の施行等について(基発1027第4号 令和2年10月27日)
-
同カテゴリーの最新記事
- 2024/01/04:価格改定のお知らせ
- 2024/01/01:適格請求書発行事業者に関する弊社登録番号のお知らせ
- 2021/04/01:法令改正による眼の被ばく限度の引き下げ等について
- 2021/03/03:エックス線作業主任者の予想問題
- 2020/03/02:【重要】エックス線作業主任者講習会について(新型コロナウイルスの対応):2020年6月8日更新