文系でもエックス線作業主任者の講習についていけますか?
「私は文系なのですが講習についていけるでしょうか?」
これはエックス線作業主任者の講師をしているとよく受ける質問の1つです。
通常日本では中学校までは、義務教育として共通の基礎的な学問を身に付けることになっています。そして高等学校からは、自身の興味に合わせてより専門的な教育を受ける選択ができます。
それらの学問は『文系』と『理系』の2つに大きく分けられています。文系とは、文学、法学、経済学、教育学などの学問であり、一方で理系とは、数学、物理学、化学、生物学などの学問を言います。
自分自身が、文系と理系の認識をしていなくても、自然とどちらか寄りになっていきます。専門分野を持つことは、結果的に文系と理系のどちらかに分れることになるからです。
また、高等学校では一般的なコースで、特に文系も理系もどちらの道にも進んでいないという人もいるでしょう。その場合は、理系について専門的知識を持っていないので、自分自身は文系だと考えている人が多いように思います。
エックス線作業主任者の内容は、当然理系の内容になりますので、「数学や物理学が苦手な私でも、講習についていけるのかな?」という不安が冒頭の質問として現れているのです。
ぶっちゃけ文系とか関係ありません
たしかに、エックス線作業主任者の内容は理系の内容ですので、理系の人の方が勉強に有利なのは間違いないでしょう。
しかし、だからと言って文系の人が講習についていけないとか、試験に合格できないということはありません。
私自身、高校のときは英語コース、大学のときは政治学科という生粋の文系人です。そんな私も社会人時代にエックス線作業主任者の勉強をして資格を取得しました。
文系だからと言って、数学や物理学などの理系科目をまったくやらなかったわけではありません。基本的な理系の内容は学校で勉強しているはずです。「平方根」とか「原子の構造」とか、忘れているかもしれないだけで聞いたことありますよね?
エックス線作業主任者は、きちんと勉強を行えば誰でも合格をできる資格です。私の講習会、通信講座を受講する人は、文系の人がたくさんいらっしゃいます。
ちなみに、試験ではどれくらいの数学レベルが必要なのかについて、こちらの記事で書いていますので、もしよければ参考にご覧ください。
⇒3つのパターンでエックス線作業主任者の計算問題を克服する
では、文系の人が講習に参加してもついて行ける理由は何でしょう。それは講習の方法に様々な工夫を凝らしているからです。
文系でも講習について行ける8つの理由
1.相手の立場を把握
受講生さんの属性を把握します。業種、職種、年齢、性別などの属性です。
これは、今までたくさんの講習会を開催し、受講生さんと会話する中で傾向がわかっています。
文系の人がたくさん来られているというのも、受講生さんと会話をする中でわかりました。
受講生さんの属性によって、講習内容、講習スピードを適切なものに変えていきます。
2.簡単から難しい内容へ
最初は中学校で行う理科の復習のような内容から始めます。
教えるときに大切なことは、全部知らない内容を伝えることではありません。
知っている内容と知らない内容を組み合わせて伝えることが重要です。
これらの内容を組み合わせることで、知らない情報も障壁を感じることなく理解することができるのです。
3.動機付けを行う
試験に合格しなければならない動機は人それぞれです。
動機が明確でブレていなければ勉強がとても捗るはずです。
たとえば、免許が無ければ仕事ができない、もしくは今後担当者が退職した場合仕事ができなくなる。
また、免許を取得すると給料アップにつながる、もしくは会社の経費を抑えられて貢献できる。
このような動機に気付いてもらいます。
4.印象深い内容
ユニークな語呂合わせなどを活用し説明していきます。
特に超重要な内容は、その場で記憶に残るような説明を心がけています。
以前こちらの記事でも紹介したテクニックも、講習会ではガンガン活用しています。
⇒4つの記憶法で凡人がエックス線作業主任者にスピード合格
5.1回で1つのこと
講習で最も良くないのは、説明量が多すぎて受講生さんが消化不良を起こしてしまうことです。
講師は1回で多くの事を伝えることができますが、それでは受講生さんはついて来られません。
ですから、1回の説明で特に重要なポイントを伝えていくことにしています。
講習ではそれを何度も繰り返すことで、たくさんの範囲を理解できるようになります。
6.繰り返す
私たちは同じ内容を繰り返すことで、「これは大切な事なんだ!」と脳が認識して覚えるようになっています。
特に重要な内容は何度も繰り返しますし、ホワイトボードにずっと書き残したままにすることもあります。
試験の肝になる部分は各科目2~3か所ありますので、それらはその場で繰り返すことで習得してもらいます。
7.色んな感覚を使う
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、皮膚感覚は五感と言われます。
五感のうち視覚、聴覚によって情報を受け取る割合は、全体の80%以上と言われています。
講師の説明を見て、聴くだけでなく、ときには体を動かして皮膚感覚を使うなど、他の感覚と組み合わせて学習をすることにより印象的な講義にしています。
8.“なぜ”を大切に
ある事象が「なぜそのようになるの?」というメカニズムを分りやすくお伝えしています。
ホワイトボードに図解で丁寧に説明するほか、プロジェクターを使いパワーポイントのアニメーションでも説明を行っています。
“なぜ”を大切にすることは、学習の動機付けにもつながります。
まとめ
講習会の最後には毎回アンケートを取っています。
今までの反省点を次回に反映し、よりわかりやすい講習へと進化できるよう弛まぬ努力を続けています。
「自分は文系だから...」と諦めるのではなく、ぜひX線の勉強に取り組んでいただければと思います。
-
同カテゴリーの最新記事
- 2024/01/04:価格改定のお知らせ
- 2024/01/01:適格請求書発行事業者に関する弊社登録番号のお知らせ
- 2021/04/01:法令改正による眼の被ばく限度の引き下げ等について
- 2021/03/03:エックス線作業主任者の予想問題
- 2020/03/02:【重要】エックス線作業主任者講習会について(新型コロナウイルスの対応):2020年6月8日更新