初めてエックス線作業主任者を受ける人へ
「X線の試験を受けたいけど、どこで受験できるの?受験料はいくら?免許ってどんなもの?」
初めて受験される方には、このような疑問や不安があるでしょう。ここではエックス線作業主任者の試験を初めて受ける人向けに、基本情報を説明していきます。
どんな資格なの?
まず、エックス線作業主任者とはどんな資格かを簡単に説明いたします。エックス線作業主任者は、「業務独占資格」であり、「必置資格」でもあります。
「業務独占資格」とは、免許を持っていない人は、法令で定められた業務を行うことができないという資格です。
「必置資格」とは、一定の業務を行う場合は、有資格者を必ず置かなければならないという資格です。
要するに、X線を使う仕事をする時には、エックス線作業主任者の免許が絶対必要になるので需要がある資格になります。
また、資格の種別としては、エックス線作業主任者は国家資格に分類されます。国家資格とは、国が試験を主催する資格のことを言います。
ですから、国が試験を作成し、実施し、合否判定し、免許を交付しているのです。しかし、国はあくまでもエックス線作業主任者免許試験を主催しているだけで、こういった業務は外部の機関に委託されています。
どこが試験を開催しているの?
「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」が試験を開催しており、ここに申請すれば受験することができます。
この試験協会は、厚生労働大臣の指定を受け、安全衛生に関係のある試験を国の代わりに実施している機関です。本部は東京都千代田区にあります。
試験協会本部の専門員が、エックス線作業主任者試験の問題を作成しているのでしょう。ここで作成された問題は、全国のセンターに配布されることになります。
試験は、午後のみの試験になりますが、試験会場が遠方の場合は、ほぼ1日がかりのイベントとなります。試験日は平日が多いですので、日中に仕事がある場合は、休まなければならないでしょう。
ちなみに試験協会では、エックス線作業主任者試験の他、発破技士試験、高圧室内作業主任者試験、ガス溶接作業主任者試験、ガンマ線透過写真撮影作業主任者試験などの18種類の免許試験を受験することができます。
さらに、労働安全コンサルタント試験、労働衛生コンサルタント試験、第一種作業環境測定士試験、第二種作業環境測定士試験なども受験することができます。これらの試験はこの試験協会でのみ受験することが可能です。
受験できる場所は?
試験会場は、全国に7箇所あります。受験者は、現在どこに住んでいるかに関係なく、エックス線作業主任者の試験をどの会場でも受験することができます。
例えば、近畿地方の滋賀県に住んでいる人が、愛知県の試験会場で受験しても良いのです。エックス線作業主任者の免許は、どの試験会場で受験しても、全国共通で使用することができます。全国にある7箇所の試験会場は、次の通りです。
○東北安全衛生技術センター(宮城県岩沼市)
○関東安全衛生技術センター(千葉県市原市)
○中部安全衛生技術センター(愛知県東海市)
○近畿安全衛生技術センター(兵庫県加古川市)
○中国四国安全衛生技術センター(広島県福山市)
○九州安全衛生技術センター(福岡県久留米市)
このように、都道府県ごとに会場があるわけではないので、実際に受験する時にはとても不便に感じるかもしれません。
上記の試験会場以外にも、一部の都道府県で1年に1回は、エックス線作業主任者の出張試験が行われます。その日に合わせて受験計画を立てておくと、遠出する必要がなくなりますので出費を抑えることができます。
受験料はいくら掛かるの?
2023年9月現在、エックス線作業主任者の受験料は、8,800円となっています。
私が受験した時も、受験料は8,000円台でした。その後、7,000円台となり、さらに6,800円となりました。このように、年々受験料が低下していました。当時、試験協会に聞いてみましたら、「受験者様に配慮した。」というスタンスです。
しかしながら、昨今様々な物の値段が上がり、試験会場施設を今まで通り維持していくためには、受験料も値上げせざるを得なかったようです。
以前に比べると3割程度高くなっているわけですが、今後さらに値上げされることも考えられます。数年後には、さらに高くなるかもしれません。
今では、1度不合格になり2回受験することになれば、17,000円を超えるわけですから大変シビアです。受験料を節約するためにも、是が非でも、一発合格を目指したいところです。
ちなみに、試験協会ではエックス線作業主任者試験の他にも、様々な試験を実施しています。その中には、一定の受験資格が必要なものもあります。そういった試験の受験資格には緩和措置が取られているものもあり、今まで以上に受験しやすくなっています。
受験申し込み方法については「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」をご覧ください。
合格発表はいつあるの?
試験を受けたら、その1週間後に合格発表が行われます。合否は「公益財団法人 安全衛生技術試験協会」のホームページの「最新の合格者」のリンクからご覧いただけます。
リンクから先に進み、あなたが受験した「センター」を選択して、ページの下の方に行くと、「試験日」と「エックス線作業主任者試験の合格者」が確認できます。
ここにあなたの受験番号があれば合格になります。反対に、ここにあなたの受験番号が無ければ、不合格ということになります。
また、正式な合格発表はハガキで行われています。試験に合格した場合も、不合格だった場合も、ハガキがあなたの住所宛に送られてきます。これも、試験日から1週間後に発送されますので、ホームページでの合格発表の後2~3日で届くはずです。
合格した場合は、「各科目何点取ったのか?」「全体で何点取ったのか?」が記載されていないためわかりません。一方、不合格だった場合は各科目の点数が記載されています。点数で、自分の強みと弱みが分かるため、次回の受験対策に役立てることができます。
合格後の免許申請手続きなどは、そのハガキに書かれている内容に従って下さい。ちなみに、免許申請には交付手数料などの諸経費がかかります。
なお、免許申請を行い免許を受け取らなければ、事業者はエックス線作業主任者として選任できませんので注意が必要です。
免許ってどんなもの?
「エックス線作業主任者免許」
試験を受けて合格した後、あなたの宛てに「免許試験合格通知書」というハガキが郵送されます。これは、「あなたはエックス線作業主任者試験に合格しました。」という証明書であり、免許証ではないので注意して下さい。
つまり、「免許試験合格通知書」を持っているだけでは、エックス線作業主任者として選任されることはありませんし、その職務を遂行することはできません。
「免許申請書」というものが別にありますのでこれに必要事項を記入して、「東京労働局免許証発行センター」というところに免許申請を行います。申請後しばらくすると写真のような「エックス線作業主任者免許」が郵送で送られてきます。
昔はラミネートタイプの物でしたが、現在はこのようにカードでできておりとても頑丈です。カードタイプの免許なら、お財布や胸ポケットに入れていてもボロボロになりません。
なお、エックス線作業主任者試験は、誰でも受験することが可能ですが、18歳に満たない人には免許が交付されません。もし、18歳未満の人で試験に合格した場合でも、18歳になってから免許申請を行うようにします。
また、試験の難易度や合格率については、下記リンクをご覧ください。
⇒エックス線作業主任者の難易度・合格率
初めてエックス線作業主任者を受ける人への基本情報の解説は以上です。着実に勉強して一発合格を目指しましょう!
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