栃木でエックス線作業主任者の出張講習会を実施
今回は栃木のK社にて、エックス線作業主任者の出張講習会を実施しました。
K社はアルミニウム製品を製造する事業所で、なんと国内製造のアルミ缶の約40%がこちらで作られています。
ですから栃木発のアルミ缶を、確実に私たちも手にしたことがあるはずです。
上の写真は講習会を実施したときの様子ですが、『放射線測定器の装着部位』の復習をするところです。
X線などの放射線業務に従事するときには、個人の線量が測定できる測定器を装着しなければなりません。
全身均等に被ばくするのであれば、1か所に装着すればよいのですが、不均等に被ばくする場合は最大3か所装着します。
身体のどの部位に装着するかが、試験でポイントになりますが、講習会ではその場で覚えられるようにしっかりと復習します。
アルミ板の製造工程
栃木のK社の主力商品であるアルミ板は、「溶解(溶かす)・鋳造(形を整える)・圧延(薄く延ばす)」という工程を経て作られています。
その製造工程を簡単にご紹介いたします。
まず溶解炉に、原料となるアルミ地金を投入し高温で溶かします。ドロドロに溶けたアルミを、別の炉に移して用途に合わせた合金にするために元素の調整を行います。
続いて、それを長方体の鋳型に流し込んで、巨大なアルミニウムの塊を作ります。
表面の形を整えて、まだ熱い状態のときに上下から圧力をかけて、段階的に薄く延ばしていきます。3 cmまで薄く延ばされたアルミ板は、そのまま出荷することもありますが、さらに薄く延ばしてロール状にした製品もあります。
アルミ板は半導体や液晶を製造するロボットの部品、また新幹線の胴体にもに用いられ、ロール状のものは航空機の部品などに用いられます。私たちが手にするアルミ缶に使う材料は、1 mmより薄く延ばしたものです。
コンピュータのハードディスクの基盤にも、アルミニウムの合金が使われています。栃木のK社では、ハードディスク用のアルミディスクとして、世界の60%のシェアを誇ります。
また、自動車に使われるアルミ板の研究・開発も行っており、実際に部品としてたくさん使われています。自動車のエンジンを冷やすためのラジエーター、カーエアコンの熱交換器もアルミ製です。
アルミは熱伝導性が良く、軽くて加工しやすいという優れた特徴があるので、様々なところで使われているのですね。
X線で厚み測定
栃木のK社の事業所では、製造ラインにX線厚み計を設置して、アルミ板の厚みの測定を行っています。もちろん、X線が漏えいしないように装置の周りは遮へいされているでしょう。
用途に合わせて、アルミ製品の厚みを変えなければなりませんので、X線による厚み測定は重要な検査項目です。
コンベアーを流れるアルミ板の上部からX線を照射して、下部にある検出器でその透過X線量を測定します。検出器が捉える透過X線量が大きくなったり、小さくなったりすることで、アルミ板の厚みを検査できるのです。
このようなX線厚み計は、性能が良いものであれば0.01 mmから30 mmまで測定可能です。
栃木から講習会に参加するなら
関東では東京でエックス線作業主任者の講習会を開催することが多いです。
栃木の平成26年工業統計調査結果速報によると、都道府県別製造品出荷額等の全国順位は第14位となっています。
栃木は首都から近い好立地を生かして、様々な工業が発達していますね。ですから、栃木から講習会に来る人もたくさんいらっしゃいます。
宇都宮からであれば、東北新幹線で50分ほどですので、日帰りでも参加可能ですね。
受験をするなら一緒に合格に向けてやっていきましょう!最新の講習会日程は、下記からご覧ください。
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